第4回 一般医薬品のインターネット販売等の新たなルールを関する検討会の日本置き薬協会からの意見陳述文

一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する
検討会(2013年3月22日)へ提出の日本置き薬協会意見書

 日本置き薬協会の主張

  日本置き薬協会は、平成17年の設立当初から『明快、かつ合理的な規制の下で消費者の安全性を確保できる事を前提にした上で、消費者の利便を両立させる必要がある。その為の薬事法等の整備ができるのであれば、インターネット販売等を含む医薬品流通販売の全面自由化には賛成する。』との立場である。

平成21年の改正薬事法施行に伴うネット販売規制条項を含む『体制省令作成』の検討会(平成22年の新販売制度円滑施行検討会)での議論においても、下記の問題点含む様々な疑問を弊協会は提議している。

(1)『対面販売の原則』という言葉のイリュージョン

①「対面販売」と言う言葉自体、新旧薬事法にはない。

② 故に、「対面販売」の定義もない。直接触れる事のできる距離で、例えば1m以内で相対して販売する事が必須で、デイスプレイを介して行ってはいけないのかどうか。
事例として、ドンキホーテ事件があるが、厚労省は、告発、処分をドンキに科さず、うやむやの内に終わっているということは、暗黙裡に認めていると解釈される。
同様の事例として、旧法下から通信販売を行ってきた販売業者が有り、少なくとも「対面販売の原則」が存在するなら、行政の禁止処分があった筈である。
然るにネット販売で、第3類医薬品はOKとされ、伝統薬もOKである。
『対面販売の原則』を無視してきた行為に対して、既得権を認めたことに等しく、論理の矛盾ではないか。

多くの販売業者は保健所の指導も受け、やりたいのにやらなかったのが通信販売である。

(2)『情報提供』と言う言葉の空疎さ

①「情報提供」として薬事法上要求されているのは、文書を掲示しながらの説明書(薬のパッケージの中にある説明書)の事項の読み上げに過ぎない。 「此れを何故わざわざ」、と思う消費者は聞きたくないだろうし、「何故専門家が」とも思うだろう。『お客さんも望まず、お店も馬鹿にする。』様な話だ。

② それ故、薬事法第36条の6の4 に、「第一項の規定は、医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があつた場合には、適用しない。」とあり、結果として、実務に就く専門家も情報提供の内容については、注意が疎かになる。
厚生労働省が実施した薬事法の遵守状態についての覆面調査の結果(平成23年度一般用医薬品販売制度定着状況調査結果報告書で「文書を用いた詳細な説明があった」のは、55.2%である)を見れば一目瞭然である。

(3)「情報提供」されれば当然「相談応需」の出番だが、これも空しい

(本人確認が難しい相談応需)

店舗での実際のケースとして、消費者である患者本人が購入者であるかどうかの確認ができない。勿論患者本人の病状も明らかでない。
当然、どのような薬を処方箋薬、一般薬を含め服用しているか分からない。
これで責任のある「相談応需」ができるのか、出来るとすれば、その薬剤師・登録販売者は「超能力者」と言わざるを得ない。

(毎回、情報提供や相談の要望が無いことを前提とした配置販売)
配置での実際のケースとして、配置先での相談応需も当然、薬剤師か登録販売者が行わなければならない。
ところが、一般従事者が医薬品を配置販売しているとき、消費者から質問を受けた場合、薬剤師か登録販売者に連絡し、薬剤師・登録販売者が来る迄、何分以内、何時間以内という明確な定めがなく「速やかに」と省令に書かれているだけである。
薬事法の説明会で、当時の企画官に対し、配置業者の疑問である「速やかに」というのはどれ位か、と言う質問が出た。企画官の答えは「場合によっては一年程度あとでも良いし、まあお客さんが怒る迄ですね。」と発言され、一同唖然とし、かつ納得した。 この発言以来、消費者が情報提供を求めなければ、情報提供以外の配置販売は可能と解釈し、一般従事者単独の配置販売が常態化している。

(専門家としての判断・専門家に対する教育)
本来は、購入者が情報提供不要と申告しても、薬の専門家として必要と判断した場合には、受診勧奨に至るインフォメーション、コミニィケーション、それを裏付ける教育が不可欠である。
ところが、一般販売業での登録販売者、既存配置研修は、単なる『努力義務』とされ、厚労省医薬食品局総務課長通知とおりに遵守されていると言えない状況にある。

(4)平成21年の検討会で主題となった「買い物難民」対策は?

① 当時の舛添厚生労働大臣が諮問された「買い物難民」救済に対し、各既存販売業者団体は対策の回答を出したが、実現しているのか。 弊協会は、「全国の過疎地域での営業を継続するよう努力する」と答えたが、同時に厚労省に質問した。
「どれだけの種類の医薬品を届ける必要があるのか。多岐に亘るアイテムを提供する事は、配置の性格上、無理。」その質問に対し厚労省からの返答は、未だにない。
日本薬剤師会さんの方では、「各都道府県の薬剤師会が薬剤師を輪番制で選出して、消費者からの申し入れがあれば、山間であろうが離島であろうが、薬剤師が届けに行く。」とされていたが具現化しているのであろうか。

(5)以上を前提にして、日本置き薬協会としては、消費者の安全を確保される事を望む

店舗販売であろうと、配置販売であろうと、或いはこれから新しく参入する業態であろうと、一般用医薬品の販売に直接関与する全ての従事者が薬剤師、或いは登録販売者であり、消費者(=患者本人)と直接手を触れ合い、本人のデータも閣議決定された「マイナンバー制度」で電子化されたカルテを参照しながら本人確認も行い、適切なアドバイスに基づき、適切な分量だけ販売する。
このような医薬品販売が行われるような薬事法の改正を求める。

或いは、それが実現されないのであるならば、実効性の低い『対面原則』のような言葉のまやかしを止め、製造物責任を主軸に、販売者の管理・保管責任、そして消費者の自己責任を明確にすること。
そして、『薬』は一般薬も処方箋薬もすべて危険なものであり、所謂『毒にも薬にもなる』ものだという啓蒙教育が必要ではないだろうか。

但し、安全性確保のために、偽薬の議論があるが、これらは詐欺詐称,傷害ひいては殺人事件にもなる刑事犯罪の議論である。
犯罪者は何処にでもいる。犯罪者を跳梁させないためにも、明確・明瞭な法の制定が望まれる。

『裁量行政が行政権力にとって有利な事は自明であるが、その場その場の都合で振り回されては統治される国民はたまらない。恣意的な権力行政は止めて、法に基づく法による行政を行って欲しい。』と厚労省に御願いする。

【日本置き薬協会の提案】

1.「対面販売の原則」は、法に明定されていない為、違法との司法判断が確定した。 薬事法に、「毎回必ず、専門家が関与する」旨の「対面販売の原則」を明文化すべきと考える。

2.第三十六条の六の4「第一項の規定は、医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があつた場合には、適用しない」は、削除すべきと考える。

3.ネット販売を含めたリスク軽減のための一般用医薬品販売の共通のルール作り、以下 ①〜⑧ が必要と考える。

① 一般用医薬品の誤用や連用による副作用や相互作用の弊害を添付文書や外箱により具体的に明記する。ネットでもこのリスクを明示した上で購入のページに進ませる。

② 一般用医薬品の連用や濫用を避ける為、総合感冒薬や解熱鎮痛剤などの大包装品の販売を中止する。

③ (店舗販売において)薬剤師や登録販売者が直接生活者の自宅などに配達して、必要な情報を直接提供した場合は、第一類、第ニ類医薬品の販売も認める。

④ 健康被害が発生した場合の対処法や連絡先を具体的に示す。

⑤ TV電話のように購入者と専門家が同次元同時間で対面し、相互にモニター等を通して会話が成り立ち、相手の風貌、状態等を見て確認できる状態を設定し、インフォメーション、コミニィケーションの内容を録音録画し、記録、保存をする。
必要に応じ専門家の説明等をプリントアウトし購入者に手渡せるようにする。

⑥ 偽造医薬品などによる健康被害から防ぐため、個人輸入についてもきちんとしたルールを作る。

⑦ 職能団体が中心になって、軽度症状に対する対応法についての啓発を、学校や地域で積極的に行う。

⑧ 厚生労働省が推進している研修(薬剤師、登録販売者、既存配置)を義務付ける。

4.医薬品のネット販売のルール作りや薬と関わる際の啓発活動を厚生労働省と消費者庁が連携して取り組み、検討会メンバーに加えるべきと考える。

5.ネット販売は、海外へ繋がる広い範囲(地域)に亘る為、厚労省による二次的な、販売上の新たな許可制が必要と考える。

6.ネット販売業者は第三者機関の認証制と監視委員会を作り、医薬品を販売する者としての倫理、行動基準や資質確保させ、違反したら、名前を公表、ルールを守れない業者には医薬品のネット販売ができないようにする。
また、業界団体とは別にインターネット、法律、有識者、一般市民、全国薬害被害者団体連絡協議会代表、消費者団体代表、職能団体としての薬剤師会代表、登録販売者代表等による、監視委員会を設けるべきと考える。

7.改正薬事法の見直し検討会メンバーの選考に当っては、田村厚労大臣の本年1月11日の答弁のとおりにすべきと考える。

8.薬事監視、指導を徹底すべきと考える。 店舗販売に於いて、「薬剤師が第一類医薬品を販売する際に、書面をもって情報提供する」が徹底されず、配置販売に於いても、「薬剤師が一般従事者を同伴せず、初回のみ薬剤師が情報提供すれば、同一薬について2回目以降に情報提供さえしなければ、無資格の一般従事者が単独で第一類医薬品をも配置販売できる」と誤解されている。
また、登録販売者試験の為の実務経験違反事件も多発している。

【日本置き薬協会の提案の詳細説明】

一、「対面販売の原則」の法定化について

1.本年2月27日の第2回検討会での、『対面販売を薬事法上に明記しなかったのはミスによるのか』との質問に対し、『対面販売の原則は国会への法案提出で縷縷ご説明した』、  また本年3月13日の第3回検討会でも、『医薬品のネット販売を規制する立法事実があるか』との質問に対し、「当時の検討会、国会議論などを経た、それらの議論から省令への委任範囲であると判断した」と当時の検討会、国会のミスであると言わんばかりの事務局の答弁があった。

2.2009年11月30日付け、又市征治参議院議員の「薬事法施行の問題点に関する質問主意書」において、『「改正薬事法第36条の5及び36条の6は、情報提供について定めることを省令に委任しているだけで、「医薬品の通信販売の禁止」の理由である『対面販売の原則』の規定がない。省令は、「法律の授権を欠き、憲法に違反する」と訴訟が起きている。争点のIT(ネット)販売、伝統薬等の通信販売、事業所を対象とした配置販売、医薬品の代理人による購入等について、専門家による医薬品の『対面販売の原則』の定義を明確化し、その条件に適合するか否かで、対応すべきではないか」と質したところ、2009年12月8日の総理答弁書は『第36条の規定から明らか。』と回答している。

現行の改正薬事法に『対面販売の原則』を明記せず、ネット販売を範囲外に置いた厚労省の大きなミス、或いは大きな作為があったのではないか(誤謬が有っても認めない、霞ヶ関体質の露呈と言わざるを得ない)と考える。
何れにしても、2013年1月 11日の最高裁判決で、医薬品のネット販売に関して、省令での規定ではダメということで国の敗訴が確定し、今まで一生懸命対面で販売したことが、法律的な根拠を持たない単なる努力規定となってしまった。

2013年2月13日付け、又市議員の「一般用医薬品のネット販売に関する質問主意書」が再度提出され、答弁書は、「ネット販売等の新たなルールに関する検討会」の議論を踏まえ適切に対応する意向を示していることから、日本置き薬協会としても、又市議員の2月13日付け質問主意書内容を重く受け止めている。

3.厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会報告書(2005年12月15日)には、以下のように、医薬品の販売は対面販売の原則とすべきと提言している。
対面販売の原則、
『医薬品の販売時においては、販売者側からその医薬品に関する「適切な情報提供」が行われ、購入者に十分に理解してもらうことが重要である。また、同時に、購入者の疑問や要望を受けた場合に「適切な相談応需」が行われることが必要である。』、 『こうした「適切な情報提供」及び「適切な相談応需」が行われるためには、薬剤師等の専門家の関与を前提として、専門家において購入者側の状態を的確に把握できること、及び購入者と専門家の間で円滑な意思疎通が行われることが必要である。』、
『これらが確実に行われることを担保するには、購入者と専門家がその場で直接やりとりを行うことができる「対面販売」が必要であり、これを医薬品販売に当たっての原則とすべきである。』

4.また、近くは、「医薬品の安全で円滑な提供方法を考える有識者会議報告書」(2012年3月31日)では、「ネットによる販売も含めて、医薬品の郵送等販売を認められるとすれば、それが許容されるルール作りを明確化させる必要があり、薬事法の専門家による『対面販売の原則』を決して崩してはならない」とされている。

「対面販売の原則」は、これ自体正しいものと考える。しかし、法に明定されていないため、今回、省令による規制では違法だとの司法判断が確定した。
そこで、いま改めて薬事法の本体に、一般用医薬品販売の共通ルールとして、「毎回必ず、専門家が関与する」旨の「対面販売の原則」を明文化すべきと考える

二、「薬事法第三十六条の六の4」の削除について

1.第一類医薬品販売においては、店舗販売、配置販売等を問わず、薬剤師による情報提供の義務がある。

① 店舗販売業で、販売側は極力省力化を図っており、店舗ではレジに持っていくだけで一般用医薬品が購入できる。 平成23年度一般用医薬品販売制度定着状況調査結果報告書では、第一類医薬品の販売状況を調査した店舗(4,087件)のうち、「文書を用いた詳細な説明があった」のは、55.2%で、店舗できちんと説明して医薬品が販売されていない、買いに行ったのに薬剤師がいなくて買えなかったという声が本当に多い。

② 新法配置販売業では、「薬剤師が初回のみ情報提供すれば、無資格の一般従事者が単独でも、同一の第一類医薬品薬について2回目以降に情報提供さえしなければ、配置販売できると解釈され、自動販売機同様に、第一類医薬品薬の配置販売が可能となっている。
〔資料1〕参照

③ 配置販売業では、『昭和38年11月7日 薬収第883号 群馬県知事あて厚生省薬務局長回答で、照会1については、配置販売業は個々の消費者に対する行商形態の販売業であるから、学校及び事業所等は、配置販売業の配置対象とは認められない。」、照会2については、当該責任者の行為は、薬事法第二十四条違反となり得る場合がある。照会3については、「薬事法の施行について」(昭和三十六年二月八日薬発第四四号)第六十三の(8)によられたい。』と禁止された事業所配置が納得のいく説明も無しに突然認められ、第一類医薬品迄もが、自動販売機のように不特定多数販売できる現状にある。
〔資料3〕参照

2.日本医師会が「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」に対する見解として2011年2月16日の定例記者会見において、「薬剤師が責任をもって情報提供するとともに、必要に応じて医師への受診勧奨をすべきである」と述べたのは妥当だと考える(ここでの「薬剤師」は法律上、登録販売者を含む専門家と解される)。

しかし、上記のように店舗や配置での販売においてすら、専門家の存在が希薄な現状であり、より対面性のないネット販売において、薬剤師等(専門家)が「情報提供し、医師への受診を勧奨する」ことは甚だ難しいのではないかと考える。
また、上記 ①、②、③ の他、登録販売者試験の不正が多数、大量に発生している。 要因の一として、第三十六条の六の4がある。
〔資料2〕参照

第三十六条の六の4「第一項の規定は、医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があつた場合には、適用しない」は、削除すべきと考える。
購入者より説明を要しない旨の意思の表明があっても、毎回必ず、専門家が関与し、必要と判断される場合には、受診勧奨に至る可能性を考慮すべきと考える。

三、ネット販売における専門家の関与規定、一般用医薬品販売の共通ルールが必要

 ネットでの購入には必要な情報が十分得られなかったり、比較的気軽に購入できるという仕組みのために、なりすましによる購入、誤用や乱用、悪用の潜在的なリスクは決して低くなく、また、薬事法を理解しないままで参入する業者がでてくる可能性もあり、これらを防ぐ以下の手立てを行う必要があると考える。

店舗販売も含めた、リスク軽減のための一般用医薬品販売の共通のルール作り以下 ①〜⑧ や、くすりと関わる際の啓発活動も必要であると考える。

① 一般用医薬品の誤用や連用による副作用や相互作用の弊害を添付文書や外箱により具体的に明記する。ネットでもこのリスクを明示した上で購入のページに進ませる。

② 一般用医薬品は症状の緩和の為に,一時的に用いるのが本来の姿であり、連用や濫用を避ける為、総合感冒薬や解熱鎮痛剤などの大包装品の販売を中止する。
大包装品のニーズがあるものについては、オーバー・ザ・カウンターでの販売に限定し、ネットでの販売を制限する。配置についても小包装にする。

③ 店舗販売においては、薬剤師や登録販売者が直接生活者の自宅など配達して、必要な情報を直接提供した場合は、第一類、第ニ類医薬品の販売も認める。

④ 健康被害が発生した場合の対処法や連絡先を具体的に示す。

⑤ 医薬品の使用方法や副作用の説明方法などを具体的に定める。
対面販売及び安心安全を守る形態を維持するネットの有り方として、パソコン等のモニターを利用し、TV電話のように購入者と専門家が同次元同時間で対面し相互にモニター等を通して会話が成り立ち、相互に相手の風貌、状態等を見て確認できる状態を設定し、専門家の説明等をプリントアウトし購入者に手渡せる機能を持たせる。
インフォメーション、コミニィケーションの内容を録音録画し、記録、保存をする。

⑥ 偽造医薬品などによる健康被害から防ぐため、個人輸入についてもきちんとしたルールを作る。

⑦ 薬剤師会や医薬品登録販売者協会などの職能団体が中心になって、軽度症状に対する対応法についての啓発を、学校や地域で積極的に行う。

⑧ 専門家としての研修を義務化する。
厚生労働省が推進している研修(薬剤師、登録販売者、既存配置)を厳格に業者に義務付ける。

四、消費者庁との連携と検討会メンバーの増員

ネット販売(購入、会員制などを含む)が盛んになったのは医薬品に限らず、現在では、あらゆる商品に共通の現象である。
しかし、医薬品には健康・生命の危険性など、他の商品と大きく異なるリスクがある。

医薬品のネット販売のルール作りや医薬品と関わる際の啓発活動も必要で、厚生労働省は、消費者庁と連携して取り組むことが必要であると考える。 検討会も厚労省単独ではなく、今後は消費者庁と合同で行うこと、また、消費者国民の命の安全第一、利便性第二を両立する為に、検討会メンバーの増員も必要と考える。

五、ネット販売の許可について

ネット販売は、都道府県の境を越え、果ては海外へ繋がる広い範囲(地域)に亘る為、店舗販売の許可に加え、厚労省による二次的な、販売上の新た許可制をとる必要があると考える。(一般用医薬品販売においては、店舗販売は保健所の、また配置販売は販売エリアが広いため都道府県知事の許可が必要であるとされている。)

六、ネット販売の認証制、監視委員会等について、ネット販売業者は第三者機関の認証制度を導入し、ルールを守れない販売業者については販売ができないような仕組みをつくる

販売する商品にかかわらずネット販売は、店舗が不要である点などから、消費者からみて定着性・信用性に不安がある。
特に、その扱う商品が健康・生命に関わる医薬品である場合は、消費者の不安を解消する格別の手法が求められる。

生活者の安全確保の為には、医薬品を販売する者としての倫理、行動基準や資質確保させ、違反したら、名前を公表、ルールを守れない業者には医薬品のネット販売ができないようにする。 米国、英国等の各国を参考に、消費者庁に属し、メンバーに市民(一般市民、有識者、全国薬害被害者団体連絡協議会代表、消費者団体代表、職能団体としての薬剤師会代表、登録販売者代表等)を加えた第三者機関を創設して監督権限を集約、審査、認証、WEBで認証の表示を求めること、また業界団体とは別にインターネット、法律、有識者、一般市民、全国薬害被害者団体連絡協議会代表、消費者団体代表、職能団体としての薬剤師会代表、登録販売者代表等による、監視委員会を設けるべきと考える。

七、新たなルール策定に当って

田村厚生労働大臣は一月十一日、最高裁判決当日の談話で「(医薬品の使用は)一方で副作用の発生のリスクを伴うものであり、国民の健康・生命に関わる」、「今後、関係事業者などの関係者に広く御参画をいただき、法令などの郵便等販売に関する新たなルールを早急に検討する」と述べ、また一月十五日の大臣記者会見でも、「引き続き薬というものの危険性といいますか、適切な使用というものを皆さんに訴えをしていかなければならない」、「検討会を作って、参加いただく方の人選も含めて、これから色々と御意見をいただきながらやっていこう」と検討会の人選も、開かれたものとすることを強調している。

改正薬事法の見直しは必定であり、次の改正薬事法の見直しの際には、厚労大臣の1月11日の弁に有るような検討会メンバーの選考を考慮されたい。

八、改正薬事法に対する置き薬協会の対応

全国薬害被害者団体連絡協議会は、今回の判決により、第一類と第ニ類のネット販売が認められたことで、かえって規制がない状況が生まれ、消費者にとってはリスクが増したと危惧を示し、「成りすましが可能なことなど、もともとネットが持つ危うさを考えると、医薬品の販売はなじまないと思う。本当にネット販売で薬剤師が関与しているのか、メールの問い合わせに対する回答を消費者が正しく理解できているのか、不明な部分が多い」、「このまま全面解禁なら目先の利便性は高まるが安全性は損なわれる。とりわけ大手以外のネット薬局がきちんとした販売方法を取れるのか疑問だ」と懸念を示している。

サリドマイドやスモンも一般用医薬品による薬害であった。配置薬にもキノホルム製剤がありスモンに関与したことから、置き薬協会は、全国薬害被害者団体連絡協議会、消費者センター、日本薬業研修センターから講師を招聘し、一般社団法人日本薬業研修センターが実施主体となって、平成21年3月31日付薬食総発第0331001号厚生労働省医薬食品局総務課長通知に基づく、既存配置販売業の配置員に対する「一定水準の講習、研修等」の受講(日本置き薬従事者年次教育集合研修を6回)を厳格に行っている。

第二類医薬品、指定第二類医薬品において経時変化の少ない品目に制限し、厳格に教育された薬剤師、登録販売者、配置員による配置販売をすれば、究極の医薬品の対面販売であり、少子高齢化社会、買い物難民、セルフメディケーションに大いに貢献できると考える。

新法が社会に定着する為には、法令の不備を正し、その趣旨の徹底を行い、提供側の医薬品の安全性と有効性の確保義務と、消費者の利便を両立させる必要がある。
法令の多様な解釈が存在すれば、明確な規定がないまま混乱する現状を指摘するとともに、一般用医薬品の販売業者は、法の趣旨を理解し、消費者との接点に立つ医薬品販売従事者に、一般用医薬品の使用のリスクを十分認識し、適切に対応する為の絶えざる資質向上が求められることを指摘する。

店舗販売に於いて、「薬剤師が第一類医薬品を販売する際に、書面をもって情報提供する」が徹底されず、配置販売に於いても、「薬剤師が一般従事者を同伴せず、初回のみ薬剤師が情報提供すれば、同一薬について2回目以降に情報提供さえしなければ、無資格の一般従事者が単独で第一類医薬品をも配置販売できる」と誤解されている。 また、登録販売者試験の為の実務経験違反事件も多発している。
よって、薬事監視、指導を徹底すべきと考える。

〔資料1〕 配置販売業においては、平成21年5月8日付け薬食発第0508003号医薬食品局長施行通知の頁21〜22に、『①第一類医薬品を配置販売する場合には、配置した医薬品の使用状況の確認及び点検、情報提供の要否の確認、情報提供が不要な場合の再配置(補充)、配置箱の清掃、代金の清算等の情報提供以外の業務については、薬剤師に自ら行わせるほか、薬剤師の管理及び指導の下で登録販売者又は一般従事者に行わせることが出来ること。②顧客から情報提供の求めがあった場合又は相談があった場合に、速やかに、医薬品を配置する場所において薬剤師に対面で情報提供をおこなわせることができるよう、登録販売者又は一般従事者を管理及び指導する薬剤師が登録販売者または当該一般従事者と直ちに連絡をとることができ、かつ、当該薬剤師を、医薬品を配置する場所の近隣に従事させる等の適切な体制を確保すること。』とあることから、医薬品を配置する際に一度だけ薬剤師又は登録販売者による情報提供、直接の対面販売を行えば、リスクが特に高い第一類医薬品、リスクが比較的高い第二類医薬品までを含め、2回目以降の販売行為においては、期限の定め無しに、無資格者が単独で薬剤師等の間接的管理、指導の下、それらの医薬品の代金の清算と納品( ≒ 実質、医薬品の配置販売)を続けられると誤った解釈をしているからである。

「① 要望があったときのみ情報提供をする(受動的情報提供)ことが認められていると解釈する配置販売では、医薬品の適正使用の為の情報提供を行うとする改正薬事法の趣旨と著しく相違している。②(特商法上でも)配置販売は、毎回が契約の更新であり、薬剤師又は登録販売者が情報提供しなければならないことから、必ず薬剤師又は登録販売者が一般従事者を同伴しなければならない。よって、配置した医薬品の使用状況の確認及び点検、情報提供の要否の確認、情報提供が不要な場合の再配置(補充)、配置箱の清掃、代金の清算等の情報提供以外の業務を単独で行ってはならない」――との注釈の挿入を医薬食品局に再三申し入れて来ました。

しかし、この申し入れに医薬食品局担当からは、「① 再配置(補充)が、基本的に、それが『配置』と言う言葉に入るのか、入らずに今から後付でどうできるものではなく、通知を作った時に、どう整理したかという話によらざるをえない。② 配置は(情報提供を毎回)やらなくて構わない。但し店舗は、明らかにそれ(情報提供)は毎回やらなければいけないことに成っています。③ 通知と特定商取引法(経済産業省の管轄)の間で整合性をとるのは難しい。通知(厚労省)が先ですから」と答弁された。

結果として、医薬品の配置販売の現場においては、有資格者が毎回、直接消費者に対面しないことを常態とした無資格の一般従事者による単独配置販売(初回のみ情報提供し、その後、期限に定めない無資格者による医薬品の配置販売 ≒ 放置販売)が認められたと解されている。

店舗販売と配置販売も能動的情報提供が求められるはずで、配置販売にだけ特別扱いはできない筈なのに、無資格の一般従事者による単独での医薬品販売行為が容認され行われています。

〔資料2〕薬事法 (一般用医薬品の販売に従事する者)

第三十六条の六  薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局又は店舗において第一類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師をして、厚生労働省令で定める事項を記載した書面を用いて、その適正な使用のために必要な情報を提供させなければならない。

2 薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局又は店舗において第二類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させるよう努めなければならない。

3 薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又はその薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によって購入され、若しくは譲り受けられた一般用医薬品を使用する者から相談があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させなければならない。

4 第一項の規定は、医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があつた場合には、適用しない。

5 配置販売業者については、前各項の規定を準用する。この場合において、第一項及び第二項中「薬局又は店舗」とあるのは「業務に係る都道府県の区域」と、「販売し、又は授与する場合」とあるのは「配置する場合」と、第一項から第三項までの規定中「医薬品の販売又は授与」とあるのは「医薬品の配置販売」と、同項中「その薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又はその薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によって購入され、若しくは譲り受けられた一般用医薬品を使用する者」とあるのは「配置販売によって一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は配置した一般用医薬品を使用する者」と読み替えるものとする。

〔資料3〕

1 配置販売業者が学校及び事業所等の集団責任者に対して医薬品を配置し、当該責任者は対象員(学校の場合は生徒、職員、事業所の場合は会社工場等の従業員)が医薬品を必要のとき無料で使用させる。このような場合配置販売業者は前記集団に対して医薬品を配置販売して差支えないか。

2 当該学校、事業所又は取扱い責任者の行為は薬事法に違反するか。

3 配置販売業者の住所、氏名が記載されている配置箱に救急箱なる表示をして、ハサミ、ピンセット、ホータイ、清涼剤(医薬部外品)等の医薬品以外のものを医薬品と同一箱に収めて配置しても差し支えないか。

別添2

配置販売業者の配置対象について

(昭和三八年一一月七日 薬収第八八三号)
(群馬県知事あて厚生省薬務局長回答)

昭和三十八年十月四日付薬第九〇九号をもつて照会のあつた件について、左記のとおり回答する。

1 照会1については、配置販売業は個々の消費者に対する行商形態の販売業であるから、学校及び事業所等は、配置販売業の配置対象とは認められない

2 照会2については、当該責任者の行為は、薬事法第二十四条違反となり得る場合がある。

3 照会3については、「薬事法の施行について」(昭和三十六年二月八日薬発第四四号)第六十三の(8)によられたい。